2021年10月24日日曜日

食育について

婦人科医師 牧野です。

沖縄で仕事をしていた時、高齢女性の元気に驚かされていました。

日に焼けた笑顔がとてもまぶしく、80歳過ぎても炎天下のなか、

さとうきびつくってるさ〜と・・・。

一方、若い妊婦さんたちの肥満と糖尿病/妊娠糖尿病(注釈1)の

多さにもとても驚きました。

妊娠中はインスリン使用などの血糖管理をしなければなりません。

あかちゃんも大きくなり難産の可能性も増えてきます。

せっかくの楽しい妊娠生活は苦労ばかりになってしまいます。

高齢者と若年者のあいだの健康解離はなんだろう?

私見です。

“食べもの”が関連しているのではないでしょうか?

沖縄ではファーマーズ(採れたて野菜の直売所)に行くことが

楽しみのひとつでした。

本土に売ってないめずらしい野菜が並んでいます。

シマナー、はんだまのおひたしや酢の物、ニガナの白和え、

島らっきょうの塩漬け、ナーベラー味噌煮、ゴーヤチャンプル、

人参しりしり、パパイヤイリチー・・・

沖縄の野菜たちが食卓に並ぶようになりました。

からだも喜んでいるようで年齢以上によく動きました。

これらが、おばあたちの健康のもとなのだな!と実感。

沖縄も広島と同様、戦争のかなしい歴史があります。

1945年から1972年の27年間、アメリカに統治され、

さまざまな文化も入ってきたそうです。

食事でいえばジャンクフード。

A&WやJimmy’sは代表的なものでしょうか。

私も大好きでしたがマフィンやケーキのカロリーはすごそう。

ちなみに体重がどんどん増えていく若い妊婦さんの、

愛好食はA&Wで、フライドポテトが特にお気に入りでした。

沖縄野菜を勧めましたが、

沖縄のかたがゴーヤを好きとは限りません。

食習慣について改めて考えさせられました。


広島は?

広島で仕事をするようになって一番に感じたこと。

それは、広島の高齢者は、沖縄にくらべると元気がないことです。

調べてみると、寿命はながくても介護が必要な期間がながい、

つまり「健康寿命」が全国で一番短い県だったのです(図1)。

女性の場合、介護は骨折がトリガーとなります。

これは高齢者の話でしょ!

食べ物とは関係ないわ!と思われるでしょうが、

“骨活(骨つくり)”は思春期からはじまっているのです。

つまりみなさんの輝かしい老後は、

思春期の過ごし方に関連しているのではないかと考えます。


そこで、

とくに20歳までのみなさんに知ってもらいたいことです。

骨密度はだいたい20歳がピークであること(図2)

キープしなければ減少していきます。

元気な高齢者になるために、20歳までにやっておくこと、

① 運動 

② 食事の管理

② 生理不順に気を付ける(とくに3ヵ月生理がないと要注意)

ついでにビタミンD 摂取のため日光浴も。

美白も素敵ですが、

若い時はお日様のもと、しっかり運動をしたいものです。

涼しくなりましたので

看護師の池田さんのようにお散歩もいいでしょう。


府中市民病院では、こんなお話を専門家から聞ける準備をしています。

私のようなずぼらさんでも実行できるものを考えています。

11月にはホームページを立ち上げ予定です。

どんな運動したらいい?

何を食べたらいい?

骨の検査をうけたいけどどうしたらいい?

生理不順はなにに気を付ければいい?

こんなお話を紹介していく予定です。


府中市の栄養士さんにお誘いをいただき、

こんど彼女と一緒にある高校のみなさんにお話をする予定です。

みなさんが聞いてよかったなと思えるありきたりでない、

そして未来に役立つような、

お話が出来たらいいなと思っています。



【注釈】

1) 妊娠糖尿病

妊娠してから初めて糖代謝異常(高血糖)を発症した人につく病名です。

既に糖尿病を発症している人が妊娠した場合は「糖尿病合併妊娠」といいます。


図1

女性の不健康期間が長い都道府県




図2

年齢と骨量のグラフ

公益財団法人骨粗鬆症財団パンフレット「骨粗鬆症の予防は成長期から」より引用











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