2021年3月31日水曜日

4月になりました!節目の季節ですね。

「もうすぐ入学式です」「就職できました」「あたらしい職場にうつります」など、

笑顔で報告してくださいます。

時には母親のように、時には友人の気持ちで、

診察室を出られる後ろ姿にエールを送る日々です。

しかし、いきなりエンジン全開だと、こころとからだが疲弊してしまいます。

梅雨の終わりかけや、暑い夏を乗り越えた初秋頃、

新しい生活に慣れて少しホッとする時期でしょうか。

からだとこころの不調で受診されるかたが増える時期です。


「月経不順になりました」「月経がきません」「出血がとまりません」

「気持ちがしずんで涙がでます」「イライラします」

「動悸やめまいがします」「ねむれません」など・・・。

このような症状からすいぶんお若いかたからも

「更年期でしょうか?」と相談されます。


実際に更年期ではないことが大半で、多くはストレスや体調不良、環境の変化などで、

自律神経の働きと女性ホルモンが乱れることが原因となっています。

女性ホルモンの調節は脳の視床下部が担っています。

視床下部は女性ホルモンの調節のほか、自律神経や免疫系などの

身体の重要な働きをコントロールする役割があるため、

イライラや頭痛などさまざまな体の不調が起こります。


とはいえホルモンの乱れとは関係ない別の病気かもしれませんし、

うつ病の手前であれば注意が必要です。

このような症状が長く続く時は、婦人科や女性内科外来の受診を

おすすめします。


検査をうけることで不安が解消されるかもしれません。

お話するだけで気持ちが落ち着くかもしれません。

症状によっては漢方がよく効くものもあります。


ストレスのない人はこの世にいないと考えます。

はりきりすぎたあとは、

ゆっくり休む、

大好きなスイーツをご褒美になど・・・

うまくストレス解消してみましょう。


みなさまの新しい門出をそっと診察室から応援しています。


牧野


2021年3月28日日曜日

 はじめまして、牧野です。

早いもので、府中市民病院の常勤医師になりまして1年経ちました。

松岡医師から引き継がせていただいた婦人科外来を継続させるよう、試行錯誤の日々が続いており、皆さまにはご不便をおかけしているかもしれません。

ウイズコロナの外来診療からのスタートでしたので、安全に皆さまに寄り添えるすべを考える毎日でした。

内診室は、お一人が使用された後には内診台はもちろんのこと、手すりやドアノブも消毒しておりますのでお時間をいただいております。そして、「密」を避けることも考慮し、完全予約システムを導入しております。皆さまにはご不便をおかけしておりますこと、お詫び申し上げます。

しかしながら、不幸中の幸いで、完全予約制にさせていただいたことで、お一人お一人のお話をゆっくりお聞きできるようになりました。治療法は一つだけではなく、他のひとに合った治療が自分にも合うとは限りません。禁忌といって、持病や年齢から使用出来ない薬もあります。ゆっくりお話をお聞きすることで、お一人お一人に適した「テーラーメイド医療」を目指しております。

府中市民病院婦人科の医療の柱は「ウィメンズヘルス」です。

ウィメンズヘルスとは、幼年期から閉経後まで、女性に特有の疾患に対応すべく、また未病の段階から医療ができることを模索しています。病気になると治療にもたくさんのお金がかかります。

学生時の生理痛は将来の不妊症につながるかもしれません。

月経不順は将来の子宮体がんや骨粗鬆症の原因になるかもしれません。

閉経後は知らず知らずのうちに急激に骨や血管の老化がはじまっているため、気がつけば骨折、介護、寝たきりになってしまいます。

私たち、産婦人科医は現在の皆さんの状態や血液データから、遠い将来の健康を予測できてしまう職業です。それゆえ、うまくコミュニケーションがとれないときは歯がゆい気持ちになるものです。

これからの医療は、ただ、単に目の前の病気を診断・治療でなく、「予防医療」が求められています。

現在のご自身のからだを知っていただき、健康維持のために、何に気を付けたらいいか? いつどのような検査を受けたらいいか?を提案させていただけると幸いです。

将来的には、「プレコンセプションケア外来」や「プレ更年期外来」「抗加齢外来」などもできたらと、夢はひろがるばかりです。

コロナ禍、みなさまにはまだまだ講演などでお会いできません。まず、はじめの一歩としてブログという形で、知って得する情報や新しい情報などを発信していけたらと考えました。さらに、府中市民病院では、女性が骨粗鬆症からの骨折、寝たきりになること〜骨粗鬆症〜をできるだけ「予防」したいと考え、この春に「女性医学予防チーム」を立ち上げました。骨には女性ホルモンが大きく関与するため、胎児から高齢者の「女性骨活」を推進していければと存じます。

女性が笑顔で元気でなければ、家庭も学校も職場も町もしょんぼりしてしまいます。備後地区の全ての女性が笑顔で元気で過ごせますようお役にたてれば幸いです。


府中市民病院 婦人科 牧野 郁子


こんにちは。スタッフの楢崎です。 先日、近隣の高校へ牧野先生と一緒にお話に行ってきました。 母校ということもあり懐かしさと親しみを感じました。 卒業して 10 年以上・・・先生方も変わられており、 なにより制服が変わっていることにビックリしました。 しかし、卒...